【無添加住宅の素材】接着剤としての「にかわ」のメリット
無添加住宅では、自然の素材にこだわった家づくりを徹底しています。シックハウス症候群などを引き起こす原因のひとつに挙げられている「化学接着剤」。そこで、化学接着剤をいっさい使わない家づくりを追求・研究しました。
化学接着剤の代わりに使っているのが、にかわや米のりなど素材です。無害な自然のりを安定的につくり、実用化しています。ところで、その「にかわ」や「米のり」とは一体なにからつくられているのでしょうか?米のりはその名のとおり「米」からですが、にかわは……?今日は無添加住宅で使っている自然のりのひとつ「にかわ」が、どのような素材なのかをお伝えします。
1. そもそも「にかわ」とは?
にかわ(膠)は、牛や豚などの動物の皮や骨からつくられています。ゼラチンを主成分とした、自然素材の接着剤です。動物の皮や骨を煮た液体を乾かして固めらた、透明または半透明で弾力性があります。
日本でも奈良時代にもつかわれていた記録があるようです。世界的にみると、紀元前5000年ごろから使われていました。製造方法の異なる「和にかわ」と「洋にかわ」があります。江戸時代には、つくり方がある程度確立された「和にかわ」ですが、大正・昭和になるとより生産性を高める方法が開発され、現在では「洋にかわ」の生産が上回っています。
無添加住宅では建具や床材に木材を使っています。自然素材であるにかわは、木材の特徴である「呼吸」「調湿効果」を妨げないため、効果をしっかり発揮できるでしょう。
2. 接着剤をにかわにするメリットは?
にかわのメリットは、有害な化学物質(ホルムアルデヒドなど)が含まれていないことが一番に挙げられます。自然素材であるにかわは、シックハウス症候群を引き起こす心配がありません。室内の空気を汚染せず、安心・安全な暮らしをサポートします。
またにかわは、加熱でやわらかくなり、常温でかたまりやすい性質です。湿度・温度の変化によるひずみが出にくいことからも、建築用の接着剤に向いているといえます。
3. 「米のり」の魅力もご紹介!
無添加住宅で使う接着剤には、にかわの他に「米のり」があります。その名前のとおり、お米からつくらます。米は熱によって高分子化(α化)して、固まると木と同じような植物繊維のセルロースに変化します。その特性を生かしたのが「米のり」です。気温・湿度による木材の膨張・収縮が起こっても、米のり自体が木と一体化し、はがれにくくなります。またお米からつくられた米のりは、揮発性有機化合物(VOC)を出さず、空気を汚さないのです。
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まとめ
住宅の空気環境は、住まう人の健康に大きく関わります。空気は目に見えないからこそ、汚染状態が判断しにくいでしょう。シックハウス症候群の大きな要因は化学接着剤から発生する汚染物質だといわれます。からだに害を与える接着剤にこだわり、安心して暮らせる家づくりをぜひ検討してみてくださいね。
「オノブンの家」のモデルハウスでは、実際に室内の空気環境をご体感いただけます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
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