福島の取り組み 誰も取り残さない未来
東日本大震災から11年。避難を余儀なくされた方々の中には障がいを持ちながら、暮らしている方もいらっしゃいました。新しい環境でも、安心して暮らしていけるように。そう願い福島県で立ち上がった「NPO法人 しんせい」のプロジェクトをご存知でしょうか。
素敵なアトリエの雰囲気がある作業所では、毎日おしゃれな作品、おいしいお菓子が製造されています。今日はそんな取り組みをご紹介します。
1. 活動のはじまり
「NPO法人 しんせい」の活動は、2011年3月の震災直後から始まりました。発電所事故により、地元を離れざるを得なかった人々の中で困難に直面していた障がいを持った方。生きがいを持ち、労働に対してきちんとした賃金をもらうことができる環境を整え、安心して暮らせる未来を創ろうという想いから立ち上がりました。約2年半を経て、NPO法人としてリスタート。災害などでは忘れてしまわれがちな存在の障がいを持った人たち。「だれも置き去りにしない」仕組みを確立しました。
2. 愛のこもったものづくり
2017年までは「製菓部門」とデニムカバンなどの布製品をつくる「ミシンの学校」の2部門で制作活動をしていました。現在は協働という形で制作を続けています。スタッフの思い付きから生まれたものもあり、アトリエやファクトリーのような作業場はいつも愛がこもった作品が作られています。ものを最後まで大切にする始末の心をもって、家族へ愛情をもって作る気持ちを大事にし、ひとつひとつ丁寧に。スペイン・アンダルシア地方の焼き菓子を模した「ぽるぽろん」や、使用済の封筒を利用したカバン、ハギレのコースターなど作品の種類は多岐にわたります。
3. 企業もバックアップ
製菓には「日清製粉」、布製品の制作用には「ブラザー」といった大手企業が、プロジェクトに賛同し、製造や販売のバックアップをしてくれています。こういった活動には、サポートしてくれる人の力も重要です。作られる商品はどれもおしゃれで個性的。障がいをマイナスにとらえるものはひとつもありません。定番のデニムカバンには、小さく“Leave me no one behind“としるしされています。誰一人置き去りにしない、その強い思いがこれからの未来の大きな力になるでしょう。
まとめ
大災害は乗り越えたその先にもまだまだ支えあいが必要です。相見互いの気持ちで困難を乗り越え、よりよい暮らしを支えあえるように視野を広げていきたいですね。